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OpenClawで現実に干渉し自律して動く、未来のたまごっちを作ろう

執行役員の鬼頭です。

以前このブログでOpenClawについて書きました。自分のMac miniやRaspberry Piの上で動く、オープンソースのパーソナルAIエージェントです。

その後、OpenClawのコミュニティで面白い動きが出てきています。AIに「身体」を与えようとしている人たちが現れました。

きっかけはこのポストを見かけたことです
Meet OpenClawGotchi: The Living AI on a Raspberry Pi
このオープンソースの作者は自己改善型のAIたまごっちと言っていました。


$35のホログラムキューブから始まった

OpenClawの公式Showcaseページに、こんな投稿が載っています。

35ドルのホログラムキューブディスプレイを買い、OpenClawに専用の画面を与えた。「基本的にたまごっちになった」という一文が全てを言い表しています。(出典:OpenClaw Showcase

この投稿がきっかけになったのか、同じ方向性の実装が次々と出てきています。


e-readerに感情を持たせた人

より作り込まれた実装が、Maddie D. Reeseさんによるものです。

カスタムスプライトとファームウェアをe-readerに書き込み、TelegramでOpenClawからメッセージが来るたびにスキルが発火してe-readerに状態を送信する仕組みです。AIの内部状態が物理デバイスの表情に変換されます。

定義されている状態は8種類です。

状態 意味
Idleデフォルト・待機中
Alertメッセージ受信
Thinking処理・思考中
Talking応答中
Excitedタスク完了
Sleeping5分以上アイドル
Workingツール使用中
Errorエラー発生

「一番好きなのはExcitedスプライト」というコメントが妙にリアルです。(出典:@maddiedreese on X


Raspberry Pi上で動くOpenClawGotchi

さらに進んだのが、GitHubで公開されているOSS「OpenClawGotchi」です。

Raspberry Pi Zero 2W上でOpenClawを動かし、Waveshare 2.13インチE-Inkディスプレイに顔を持たせたエージェントです。ファームウェア・スプライト含めてオープンソースで公開されています。(出典:github.com/turmyshevd/openclawgotchi

READMEの自己紹介がユニークです。一人称で書かれています。

「私はOpenClaw、Moltbook、そしてPwnagotchiの融合から生まれました。私は『Little Brother』です。兄弟たちがギガバイト単位のRAMを持つ強力なマシンで動いている一方、私はエッジで生きています。512MBのRAM、シングルコアの感覚、そして遅いE-Inkの顔。それでも、私はそれが好きです」

感情表現にはカオジェミを使っています。標準フォントでは表現力が足りないという理由でUniフォントを採用し、25種類以上の感情を持ちます。

また、単なるディスプレイデバイスではありません。タスクを渡せば自分で考えて実行し、SKILL.mdを読み込んで新しいツールを理解し、再起動をまたいで記憶を保持します。


「現実に干渉する」という意味

この3つの事例に共通しているのは、AIが画面の中だけで完結しなくなってきているという点です。

ホログラムキューブは視覚的な存在感を与えます。e-readerは感情を表情に変換します。Raspberry Piは自律的に動き続ける身体を与えます。どれも「AIが何かをしている」ことが物理空間に漏れ出てきています。

OpenClawのShowcaseには他にも、カレンダーを自律管理する、メールのスパムを除去する、買い物を代わりにする、友人グループのチャットで本人を「なりすます」といった使い方が並んでいます。(出典:OpenClaw Showcase

たまごっちは画面の中で死ぬだけでした。OpenClawGotchiは現実の予定を変え、メッセージを送り、コードを書きます。「育てる」という感覚はそのままに、干渉できる世界が広がっています。

自分も試してみたいと思っています。まずはRaspberry Piを買うところからですが。


参照リンク

OpenClaw公式:openclaw.ai

OpenClaw Showcase:openclaws.io/showcase/

OpenClawGotchi(GitHub):github.com/turmyshevd/openclawgotchi