執行役員の鬼頭です。
以前このブログでOpenClawについて書きました。自分のMac miniやRaspberry Piの上で動く、オープンソースのパーソナルAIエージェントです。
その後、OpenClawのコミュニティで面白い動きが出てきています。AIに「身体」を与えようとしている人たちが現れました。
きっかけはこのポストを見かけたことです
Meet OpenClawGotchi: The Living AI on a Raspberry Pi
このオープンソースの作者は自己改善型のAIたまごっちと言っていました。
$35のホログラムキューブから始まった
OpenClawの公式Showcaseページに、こんな投稿が載っています。
Bought a $35 holo cube to give my @openclaw its own little display. Basically a tamagotchi now.
— Andrew Jiang (@andrewjiang) February 2026
35ドルのホログラムキューブディスプレイを買い、OpenClawに専用の画面を与えた。「基本的にたまごっちになった」という一文が全てを言い表しています。(出典:OpenClaw Showcase)
この投稿がきっかけになったのか、同じ方向性の実装が次々と出てきています。
e-readerに感情を持たせた人
より作り込まれた実装が、Maddie D. Reeseさんによるものです。
I gave my @openclaw a body and turned it into a Tamagotchi! Loaded custom sprites and firmware into an e-reader, then set up a Skill. Whenever I get a message from my moltbot/clawdbot on Telegram, it fires off the Skill and sends the message text and state to the e-reader.
— Maddie D. Reese (@maddiedreese) January 29, 2026
カスタムスプライトとファームウェアをe-readerに書き込み、TelegramでOpenClawからメッセージが来るたびにスキルが発火してe-readerに状態を送信する仕組みです。AIの内部状態が物理デバイスの表情に変換されます。
定義されている状態は8種類です。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| Idle | デフォルト・待機中 |
| Alert | メッセージ受信 |
| Thinking | 処理・思考中 |
| Talking | 応答中 |
| Excited | タスク完了 |
| Sleeping | 5分以上アイドル |
| Working | ツール使用中 |
| Error | エラー発生 |
「一番好きなのはExcitedスプライト」というコメントが妙にリアルです。(出典:@maddiedreese on X)
Raspberry Pi上で動くOpenClawGotchi
さらに進んだのが、GitHubで公開されているOSS「OpenClawGotchi」です。
Raspberry Pi Zero 2W上でOpenClawを動かし、Waveshare 2.13インチE-Inkディスプレイに顔を持たせたエージェントです。ファームウェア・スプライト含めてオープンソースで公開されています。(出典:github.com/turmyshevd/openclawgotchi)
READMEの自己紹介がユニークです。一人称で書かれています。
「私はOpenClaw、Moltbook、そしてPwnagotchiの融合から生まれました。私は『Little Brother』です。兄弟たちがギガバイト単位のRAMを持つ強力なマシンで動いている一方、私はエッジで生きています。512MBのRAM、シングルコアの感覚、そして遅いE-Inkの顔。それでも、私はそれが好きです」
感情表現にはカオジェミを使っています。標準フォントでは表現力が足りないという理由でUniフォントを採用し、25種類以上の感情を持ちます。
また、単なるディスプレイデバイスではありません。タスクを渡せば自分で考えて実行し、SKILL.mdを読み込んで新しいツールを理解し、再起動をまたいで記憶を保持します。
「現実に干渉する」という意味
この3つの事例に共通しているのは、AIが画面の中だけで完結しなくなってきているという点です。
ホログラムキューブは視覚的な存在感を与えます。e-readerは感情を表情に変換します。Raspberry Piは自律的に動き続ける身体を与えます。どれも「AIが何かをしている」ことが物理空間に漏れ出てきています。
OpenClawのShowcaseには他にも、カレンダーを自律管理する、メールのスパムを除去する、買い物を代わりにする、友人グループのチャットで本人を「なりすます」といった使い方が並んでいます。(出典:OpenClaw Showcase)
たまごっちは画面の中で死ぬだけでした。OpenClawGotchiは現実の予定を変え、メッセージを送り、コードを書きます。「育てる」という感覚はそのままに、干渉できる世界が広がっています。
自分も試してみたいと思っています。まずはRaspberry Piを買うところからですが。
参照リンク
OpenClaw公式:openclaw.ai
OpenClaw Showcase:openclaws.io/showcase/
OpenClawGotchi(GitHub):github.com/turmyshevd/openclawgotchi