自社の顧客データを一元管理し、マーケティングに活かすCDP(カスタマーデータプラットフォーム)。しかし市販のCDPツールは導入コストが高く、中小規模の企業にとってはハードルが高いのが現実です。弊社が注目しているのが、BigQueryを中心としたデータ基盤と生成AIの組み合わせによる”自前CDP”の構築です。今回も、社内外を問わず生成AIの実践的な活用を牽引する弊社執行役員・鬼頭健に、その背景と具体的な取り組みについて話を聞きました。
BigQueryという選択
無料枠から始められる、スモールスタートに最適なデータ基盤
—コストを抑えながら本格的なデータ基盤が作れる
BigQueryはGoogleが提供するクラウド型のデータウェアハウスです。月間1TBのクエリ処理と10GBのストレージが無料枠として提供されており、多くの中小企業であれば最初はほぼ無料で試せるのが大きな特徴です。いざ本格運用に入って課金が発生しても、市販のCDPツールと比較すると費用は大幅に抑えられます。
GA4・Google広告・Meta広告・CRMなど、バラバラに存在していたデータをBigQueryに集約することで、横断的な分析が初めて可能になります。「広告経由で獲得した顧客のLTVは?」「どのチャネルが最終的な購買に貢献しているか?」といった問いに、一つのデータ基盤から答えを出せる環境が整います。
LLM連携がメインストリームになる
データを「見る」から「話しかける」時代へ
—BigQueryとGeminiの親和性
BigQueryが今後さらに重要になると考える最大の理由が、LLM(大規模言語モデル)との連携がメインストリームになるという確信です。データ分析の未来は、SQLやBIツールを使いこなすことではなく、自然言語でデータに問いかけることにあります。
特にGoogleのGeminiとの連携は非常に優れており、BigQuery上のデータに対してGeminiが直接アクセスし、自然言語での分析・要約・提案までをシームレスに行える環境がすでに整っています。同じGoogleのエコシステムにあることで、Looker StudioやGoogle広告との連携もスムーズです。
—ClaudeAPIとの連携も積極的に進める
弊社ではGeminiだけでなく、AnthropicのClaudeAPIとの連携も積極的に進めています。用途や精度によってLLMを使い分けることで、より柔軟で高品質なデータ活用が実現できます。特にClaudeのSkills機能は非常に使いやすく、特定の業務フローに特化したAIアシスタントを比較的簡単に構築できます。ただし外部APIとのデータ連携にはセキュリティ設計が不可欠で、どのデータをどのAPIに渡すかの設計は慎重に行う必要があります。
MCPという革命的インターフェース
AIが外部ツールと直接つながる——マーケティング業務が変わる
—MCPとは何か
MCP(Model Context Protocol)は、AIモデルが外部のツールやデータソースと標準化された方法で接続するためのインターフェースです。これまでAIと外部ツールを連携させるには個別の開発が必要でしたが、MCPによって対応ツールであればプラグインのように接続できるようになりました。
—弊社が活用しているMCP
弊社では現在、複数のMCPを実務に取り入れています。ahrefs MCPではSEO分析・競合調査をAIが直接実行し、GA4 MCPではアクセスデータへの自然言語での問い合わせが可能になっています。またClarity MCPを活用することでユーザー行動データの分析もAIとの対話で行えます。これらを組み合わせると、「先週のオーガニック流入が落ちた原因を調べて、競合と比較した上で改善提案をまとめて」という指示を一つのAIに出すだけで、複数ツールをまたいだ調査と提案が返ってくる。マーケティング業務の効率が根本から変わります。
弊社がCDPを本格推進する理由
高額ツールに頼らず、自前でデータ資産を積み上げる
—データ基盤は「持つ」ことに意味がある
市販のCDPを導入しても、契約を解除すればデータへのアクセスを失うリスクがあります。BigQueryを中心に自前でデータ基盤を構築すれば、データは完全に自社の資産として蓄積され続けます。LLM連携やMCPの進化によって、そのデータから引き出せる価値は今後も加速度的に高まっていきます。
スモールスタートできるコスト感、Gemini・Claude両方との連携実績、そしてMCPによる外部ツールとのシームレスな接続——これらが揃った今が、データ基盤への投資を始める最適なタイミングだと考えています。BigQuery×生成AI連携によるデータ活用にご興味のある企業様は、ぜひ一度ご相談ください。