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GA4 MCPが話題 – 見えてきたアクセス解析で”本当に問われる力”

鬼頭です。

2026年4月、GA4のMCP(Model Context Protocol)サーバーがXで急に話題になっていて。新しいものは僕も好きなので「早速試すぞ〜!」と思って見てみたら、「あれ、これ前からなかったっけ?」って思いました。というか、もう使ってました。


GA4 MCPとは何か、ざっくり

Google Analytics公式のMCPサーバーは2025年夏に実験版が公開され、秋頃に公式ドキュメントに掲載されています。GitHubでgoogleanalytics/google-analytics-mcpとして公開されているもので、最初から公式でした。

4月にGoogle Analytics公式アカウントがセットアップ動画付きで改めてプッシュしたのがバズのきっかけだったようです。ClaudeやGeminiのMCP対応が整ってきて「誰でも試しやすい」環境になったのが重なって再燃した感じです。

MCPが何かというと、AIと外部システムをつなぐ標準プロトコルです。これが実装されたことで、ClaudeやGeminiにGA4のデータを直接読み込ませて、チャットで分析できるようになりました。「先週のPV教えて」「このページのCV率が下がった理由を分析して」と聞けば答えが返ってくる。


私がやっていること

私はこれを使って、APIやWebhookのあるチャットツール(SlackやLINE WORKSなど)に話しかけるとGA4の見解を返してくれるbotを作っています。日報・週報を自動送信する仕組みもそのひとつです。

毎朝GA4を開いて数字を確認する、という作業が不要になりました。「昨日のセッション数と主要流入チャネルを教えて」「先週はコンバージョンが落ちたがどのページが原因か」——こういった質問を投げると、即座に答えが返ってきます。

月次レポートの定型作業も激減しました。「1〜3月のレポートをまとめて」と頼めば下書きができる。仕上げに自分の解釈を加えるだけです。

弊社取締役の伊藤もカジュアルに使ってます


GA4の操作を覚えなくていい時代が来た

正直に言うと、GA4のUIを一通り覚えることの優先度が相当下がったと思います。Explorations(探索レポート)の使い方、カスタムレポートの組み方——これまではこれを習得するために時間がかかっていました。でも自然言語で聞けば答えが返ってくるなら、操作を覚えることへの投資対効果は下がります。

Xでも「定型分析はAIに任せればいい」「GA4を使いこなすスキルがコモディティ化する」という声が増えています。これは半分当たっていると思います。


でも、むしろこれが問われるようになった

操作は不要になるかもしれないが、その分3つの力がより重要になると感じています。

① 設定力・設計力

AIを狂わせる設定が問題になってきます。人間なら「あ、これ計測おかしいな」と気づいて想像で補完できますが、AIはまだそこまでいっていません。

具体的にはこういったケースです。フォームの途中でセッションが切れて自己参照が起きているケース。ECサイトで決済代行のURLが参照元として記録されてしまい、流入元データがめちゃくちゃになっているケース。これらが起きていると、AIはそのデータを正しいとして分析してしまうので、返ってくる答えもおかしくなります。

「正しいGA4の設計ができているか」がAI分析の精度を左右する。これは半年後くらいにAIが補完できるようになるかもしれませんが、今はまだ人間が担う領域です。

② 質問力

何を聞くかで答えの質が全然違います。「先月のPVを教えて」という質問と、「先月のPVを前月比・前年同月比で比較して、セッションあたりのCVRと合わせて評価してください」という質問では、返ってくる示唆のレベルが変わります。ビジネスの文脈に合わせた質問設計ができるかどうかが問われます。

③ 解釈力・仮説構築力

Xでも「数字を取ってくるのはAIがやるが、裏側をどう解釈するか、次の施策に繋げるかは人間の仕事が残る」という声が多く見られます。返ってきた数字を鵜呑みにせず、ビジネスの文脈で解釈する力は引き続き重要です。


せっかくなので、知識をおみやげに

このブログ、最近ありがたいことにSEOやAIO・LLMOが上手くいっていて、多くの方に読んでいただいています。「GA4 MCP」で検索してここに来てくれた方も多いと思うので、帰りがけに役立つものを置いておきます。

MCPとは何か(1分で理解できる版)

MCP(Model Context Protocol)はAnthropicが策定した規格で、一言でいうと「AIと外部システムをつなぐ共通の差し込み口」です。

これまでAIにデータを渡すには、CSVでエクスポートして貼り付けたり、APIを自分でコーディングして連携したりと手間がかかっていました。MCPはその接続方法を標準化したので、対応しているツールであれば同じ手順でAIに繋げられます。GA4以外にもSlack・Notion・Google Drive・BigQueryなど、続々と対応ツールが増えています。

「USBみたいなもの」と思えばわかりやすいです。規格が統一されたので、どのAIにも同じように差し込める。

GA4 MCPが使えるAI

2026年4月時点で実際に使えるものをまとめます。

  • Claude Desktop(Anthropic)— MCP設定ファイルに数行追記するだけで動く。現時点で最も安定して使いやすい
  • Gemini(Google)— Google公式の組み合わせなので連携がスムーズ。Google Workspace環境との相性が良い
  • Cursor / Windsurf(開発者向けAIエディタ)— コード書きながら分析もできる。エンジニア寄りの使い方
  • その他MCPクライアント対応ツール— 対応ツールは増え続けているため、使っているAIツールのMCP対応状況を確認してみてください

セットアップはGoogleのサービスアカウントを発行してGA4のプロパティにアクセス権を付与し、MCPの設定ファイルにプロパティIDを記述するという流れです。エンジニアでなくても30分〜1時間あれば完了できます。公式手順はGoogle公式ドキュメントに記載されています。

示唆のレベルが上がる質問例

GA4 MCPを繋いで「PV教えて」と聞くだけでは、ただの数字が返ってくるだけです。ビジネスの示唆を引き出すには質問の設計が重要です。

△ 普通の質問

先月のセッション数を教えてください

○ 示唆が出る質問

先月のセッション数を前月比・前年同月比で比較して、チャネル別の増減も合わせて教えてください。特に変化が大きいチャネルがあれば、考えられる要因も添えてください

○ 課題発見向け

直近30日間でCVRが低いページをトップ5で教えてください。それぞれのページのセッション数・離脱率も合わせて、改善優先度の高い順に並べてください

○ 施策評価向け

3月1日〜3月31日のキャンペーン期間と、前月の同期間を比較して、流入チャネル・CVR・直帰率の変化を教えてください。キャンペーンが効果的だったかどうかを判断する材料を整理してください

○ 週次レポート自動化向け

先週(月〜日)のサマリーを作ってください。セッション数・CVR・上位流入チャネル・上位ランディングページを含め、前週比での変化と注目すべき点を3つ挙げてください

質問に「比較軸」「評価基準」「次のアクションにつながる問い」を入れると、返ってくる示唆のレベルが上がります。ただし前提として、GA4の計測設定が正しくできていることが必須です。設定が狂っていると、AIはそのデータを正しいものとして分析してしまうので。


正直な感想

対話型でだいたいのことが済んでしまうので、GA4の操作を覚えるのが億劫だと感じる人は増えると思います。考えすぎかもしれないですが。

私自身、今進めているBPaaSプロジェクト(EC事業者向けのAIアドバイザー+人間伴走サービス)でも、GA4 MCPはそのまま活用できる技術です。AIがGA4データを直接読んで示唆を出し、人間がビジネスの文脈で解釈して施策に落とす——この流れが、近い将来の標準的なアナリティクスの使い方になると思っています。

記憶をメモリとして保存しているAIエージェントに質問するとしたら、「今日はどう?」だけで適切な答えが返ってくることもある。


GA4の設計・計測設定の見直し、MCP活用を前提にしたデータ基盤の整備についてご相談がある方はお問い合わせください。

参考:Google Analytics MCP server(Google公式)

     

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GA4などのアクセス解析やヒートマップ。LookerStudio、BigQueryなど用いてデータマーケティングのプロがサポートします。ClaudeやChatGPT、GeminiなどのAIを駆使したサポートからAI活用の企業研修まで行っています。

   

この記事のライター

鬼頭 健

執行役員 / マーケター 鬼頭 健

1982年生まれ、神戸生まれ、神戸育ち。1児の父。
2016年ペタビットマーケティング立ち上げ。その前は広告運用←CRM←自動車業界の会社で勤めていました。担当領域はデジタルマーケティング全般ですが、特にインハウス広告運用の支援とAIを使ったデータマーケティングやそのAI基盤構築。LookerStudioによるダッシュボード構築も得意です。BtoBマーケティングのお仕事を多く担当させていただいています。