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デジタル庁のダッシュボードガイドブックが、経験則でやってきた自分の頭を整理してくれた

執行役員の鬼頭です。

2026年3月31日、デジタル庁が「ダッシュボードデザインの実践ガイドブックとデザインテンプレート」を刷新しました。

早速読んでみたのですが、タイトルに「ガイドブック」とあるのでつい「初心者向けの入門資料」と思いそうになるのですが、違いました。ダッシュボードを作り続けてきた人間にとって、頭の中をすっきり整理してくれる一冊でした。

公式もさることながら「hikaru / 樫田光」さんの拡散力がすごい


正直に言うと、Power BIは普段使わない

配布されているテンプレートはPower BI形式(.pbitファイル)です。web系の人間として正直に言うと、データの可視化はLooker Studioで完結させたい気持ちが強い。BigQueryとの連携もスムーズだし、クライアントへの共有も楽です。

だからテンプレート自体をそのまま使うかというと、私の場合はそうはならないです。ライセンスはCC(クリエイティブ・コモンズ)で出典を明記すれば商用利用も可能なのですが、採用はしませんでした。

それよりも、今回自分にとって一番価値があったのはガイドブックの中身です。

このくらいのダッシュボードならLookerStudioで20分くらいで作ります


背景:進めているBPaaSプロジェクトのデザイン課題

今、ペタビットグループでAIを活用したBPaaS(Business Process as a Service)プロジェクトを進めています。EC事業者向けに、売上・チャネル・商品ごとのダッシュボードを提供しながら、ボトルネックの特定や伸び代のある箇所への示唆をAIアドバイザーが提供し、さらに具体的な施策実行まで人間がサポートする、というサービスです。

出す数値は決まってきたのですが、デザイン面の課題が残っていました。AIが生成したものはどうしてもAI臭さが出る。整合性は取れているのに、見る人に伝わる設計になっているかという観点が弱くなりがちです。そのせめぎ合いの中で、このガイドブックを読んだタイミングが良かった。


経験則が言語化される感覚

私はダッシュボードを作って作って作りまくってきたので、「なんとなくこうすると見やすい」「このグラフよりこっちの方が伝わる」という感覚は身についています。ただそれが言語化できていなかった。理由を説明しようとすると曖昧になる。

このガイドブックを読んで、その感覚に名前がついた感じがしました。いくつかピックアップします。

「提示型」と「探索型」という分類

ガイドブックはダッシュボードを2種類に分類しています。現状を基準と照らし合わせて異常に素早く気づくための「提示型」と、差分や原因を掘り下げるための「探索型」です。

これを読んで、自分が今まで作ってきたものが整理されました。クライアントに毎週共有するレポートダッシュボードは提示型。BigQueryで作る分析基盤に向き合うものは探索型。「なぜこのダッシュボードはシンプルにするべきか」「なぜこちらは深く掘れる設計にするべきか」の根拠がここで言語化されます。

目的定義の5W1H

ガイドブックには「見る人は誰か・なぜ見るか・何を知りたいか・見た後に何をするか・いつどこで見るか」を整理するワークシートがあります。

ダッシュボードを作る前に「誰が何のために使うか」を整理するのは当然やっているつもりでも、実際には要件がふわっとしたまま実装に入ってしまうことがある。後になって「そもそも誰のためのダッシュボードだったか」と問い直すことになる——これはガイドブックにも全く同じ言葉で書かれていて、あるあると思いました。

プロトタイプで手戻りを減らすという思想

要件整理の次はいきなり実装ではなく、PowerPointで画面イメージを作ってから関係者とすり合わせるプロセスが推奨されています。「具体的な要望を引き出せる」「合意が取れて手戻りが少なくなる」という理由です。

これもやってきたようでちゃんとできていなかったことで、特にAIが関わる今のプロジェクトでは、アウトプットイメージを人間が事前に合意しておかないとAIがどんどん実装を進めてしまう。プロトタイプを挟む価値を改めて感じました。


テンプレート自体は「設計の補助線」として使える

Power BIのテンプレートは使わないとしても、カラーパレットの設計思想やレイアウトグリッドの考え方はLooker Studioにも転用できます。7種類のカラーパレットは、増減の表現・強調・背景の役割分担が整理されていて、「色の意味」を統一するための参考になります。16:9を2〜6分割するグリッドも、情報の密度と余白のバランスを考える上で使える枠組みです。

テンプレートそのものを使わなくても、設計の補助線として機能する。そういう使い方の方が私には合っていました。


リリース直後の反応

デジタル庁Analytics責任者の投稿はリリース当日に1,644いいね・292リポスト。「支援先でダッシュボード作る時はもうデジ庁のデザインをテーマにして作ってる」「これでクライアント提案時に『デジタル庁推薦』が使える」という声が目立ちます。批判的な反応はほぼなく、データ分析・DX担当者・デザイナーからの素直な感謝が続いています。

早速ガイドブックをClaude Codeのskillファイルとして取り込んでダッシュボード制作に活用している人も出てきています。AIを使ったダッシュボード制作のコンテキストとして読み込ませる発想は面白い。私たちのプロジェクトでも同じことをやっています。

当然起こる事とと思っていたが、こんなに早いのかと驚く。
Claudeに取り入れ、ダッシュボードのUXを向上させていらっしゃる方々。

何にも指示をしない時にClaudeが出してくるUIが僕もめっちゃ嫌いになってたところです。これこれ〜って感じがします。


BI・データ可視化・ダッシュボード構築でお困りの方へ

余談ですが、私はかなりの業種・業態のダッシュボードをLooker Studioで作ってきた方だと思っています。ECはもちろん、BtoBの営業管理、学校、自動車ディーラー、クリニックなど、業種を問わず対応してきました。

「ダッシュボードを作りたいけど何から始めればいいかわからない」「Looker StudioやBigQueryを導入したいけど社内に詳しい人間がいない」「既存のレポートをもっと見やすくしたい」——そういったことでお困りでしたら、お力になれるかもしれません。

自分で言うのもなんですが、ダッシュボード作るのは早い方なので、わりとすぐに「こんな感じです」と見せられるものができると思います。まずは気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら

参考:デジタル庁「ダッシュボードデザインの実践ガイドブックとデザインテンプレート」(2026年3月31日更新)

     

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ペタビットマーケティングは広告運用代行からインハウス支援まで伴走型支援いたします。

GA4などのアクセス解析やヒートマップ。LookerStudio、BigQueryなど用いてデータマーケティングのプロがサポートします。ClaudeやChatGPT、GeminiなどのAIを駆使したサポートからAI活用の企業研修まで行っています。

   

この記事のライター

鬼頭 健

執行役員 / マーケター 鬼頭 健

1982年生まれ、神戸生まれ、神戸育ち。1児の父。
2016年ペタビットマーケティング立ち上げ。その前は広告運用←CRM←自動車業界の会社で勤めていました。担当領域はデジタルマーケティング全般ですが、特にインハウス広告運用の支援とAIを使ったデータマーケティングやそのAI基盤構築。LookerStudioによるダッシュボード構築も得意です。BtoBマーケティングのお仕事を多く担当させていただいています。